杉(スギ)和のアロマが身体にいい?花粉症にも効果的なアロマオイル
スギと聞くと思い浮かぶのは、空中を舞う大量の花粉……なんて人も多いのではないでしょうか。花粉症の方には想像したくない光景ですよね。そんなスギですが実は、スギのアロマの香りは心身を整えるといわれていて、花粉症やアトピーの方にも効果的なんです。日本産の珍しいアロマであるスギをご紹介したいと思います。
2018年11月14日更新
記事の目次
[1]杉(スギ)のアロマのストーリー
スギは学名をCryptomeria japonicaといい、日本に生息する国有種です。全国の広い範囲で生息し、屋久杉、吉野杉、小国杉など様々な地域品種があります。主にアロマオイルとして使用するのは葉の部分になるので、花粉症の方も安心して使用していただけます。スギは昔から建築建材として使用されたり、酒樽にして清酒の香りづけに使用されてきました。
杉のオイルの産地
全国にあるスギですが、産地によって地域品種があります。生育環境により品種の違いがあるため好みの産地を見つけるのも大切です。
阿蘇 小国杉
熊本県小国町は250年前から小国杉を育ててきた林業の町です。国内でも長い歴史の持つ林産地で立派なスギが育っています。品種としてはヤグクグリとアヤスギの2品種で、家具や建材として使用されています。小国杉で作った机を使用すると風邪をひきにくくなると発表されています。
九州大学の研究では小国杉精油にはニキビやアトピーの原因になる黄色ブドウ球菌への抗菌効果が認められ、緊張や不安を低下させリラックスさせる効果があることが立証されるなど健康面でも大変注目されている品種になります。
秋田杉
秋田県も国産杉のとして有名ですが、林業ではなく雄物川流域を中心とした森林地帯に生息する天然すぎを天然秋田杉といいます。伐採をして育てたものではないため生息がゆるやかなため希少種として保護されています。近年では人口林杉で育てた杉を秋田杉、天然杉を天然秋田杉として区別されています。
http://lohas-home.com/area/2013/01/akita-sugi.html
寒冷地という厳しい環境で育った杉から取れたアロマは清々しい香りが特徴的です。
飛騨杉
飛騨杉は飛騨地域一体で生息する杉で20万haという日本一の面積を誇ります。飛騨地域は一年間の半分が冬であり、厳寒期には氷点下の日々が続きます。その中で育った飛騨杉やゆっくりと成長し他の杉よりも強度が強いといわれています。
飛騨杉には、独特の蒸留方法が開発されており、従来の方法よりも抽出効率が高いのが特徴です。
屋久杉
屋久杉は世界遺産にもなっている屋久島の宮之浦岳などの標高500m~1000mを超える産地に自生する樹齢1000年以上の巨木杉のことを言います。現在は伐採されておらず、加工品などもかつて伐採された切り株や倒木、土埋木などから採取されています。そのため、屋久杉のアロマオイルは希少価値が高いといわれています。屋久杉は降雨が多く、台風などもにもさらされる厳しい環境で育つため、樹脂を非常に多く含んで育ちます。そのため抗菌力が強く、シロアリも寄せ付けないほどだそうです。そんな屋久杉から抽出する精油は1トン当たり、約0.2%~0.4%と非常に希少な樹木精油です。巨木のエネルギーが凝縮された心地よいフレグランスが特徴で木香の複合的な香気をもたらすセスキテルペン類が豊富に含まれています。華やかに広がる香りというよりはゆっくりと時間をかけて広がる香りでゆったりと楽しむことができます。
[2]杉(スギ)のアロマの香り・特性
スギの香りは花の香りとは違い木ならではのさわやかな香りが特徴です。すっきりしたいときやリラックスしたいときにおすすめの香りです。
杉(スギ)とシダーウッドの違い
スギと似た香りにシダーウッドが挙げられます。シダーウッドはマツ科の植物で針葉樹を中心とする樹木を指します。似ていることから杉もJapanese Cedarと訳されますが全く違う種類になります。
杉の香りの特徴
森林浴をしているような清々しい香りが特徴です。ミドルノートでしっかりした香りもありますが、他の香りとのブレンドもとても相性がよく楽しみ方もたくさんあります。
杉のアロマの効果・効能
厳しい環境にさらされ生育されるスギからとれるアロマには様々な効果・効能があります。
心への効能
強い森林浴効果があり、さわやかさが心にバランスと静けさを与えてくれます。香りをかいだ後には、血圧や脈拍、交感神経活動などを低下させリラックス効果を与えます。
身体への効能
身体をリラックスさせ、鎮静する作用に優れています。呼吸が深くゆっくりになり安眠効果にもつながります。また抗菌や防虫作用に優れています。その他、鎮静作用・免疫調整作用などもあり身体を癒します。
[3]杉(スギ)と相性のいいブレンド
スギの香りはミドルノートのため他のアロマとブレンドして楽しむこともおすすめです。
ハーブ系
ローズマリーは精神的な疲労を改善します。香りのノートもトップノートなので、ふんわりとローズマリーの香りで気分を回復させた後、スギの香りで身体もゆっくりと癒すブレンドです。
柑橘系
明るく、さわやかな気分になりたいときには、ベルガモットやライムとのブレンドがおすすめ。柑橘特有の甘く、ふんわりとした香りとさっぱりとしたスギの愛称は抜群です。ベルガモットには、抗ウィルス作用があるので体調の崩しやすい季節の変わり目などにおすすめです。
フローラル系
心をやらわげ、傷を癒すラベンダーとの相性も抜群です。スギもラベンダーも心身を癒す効果があるアロマ同士ですので、ゆっくり身体を休めたいときや不眠の時におすすめです。ラベンダーには眠気を強く催す作用があるので運転前の使用は控えましょう。
スパイス系
リラックスはしたいけど、集中して仕事や勉強に取り組みたいときにおすすめのブレンドはシナモンです。シナモンには、神経強壮作用があり気分を高揚させて安心感を与えると同時にリラックス作用があります。ただ、皮膚刺激が強いので肌に触れるような使い方は避けたほうがいいでしょう。
オリエンタル系
落ち着いて物事を考えたいときにおすすめなのがサンダルウッドとのブレンドです。崇高でエキゾチックなサンダルウッドは古くから瞑想の際にも使用されてきました。リラックスしながら集中したいときに効果的です。
樹木系
スギと同じ樹木系のサイプレスやシダーウッド、ジュニパーとも相性がとてもいいです。スギの森林浴できるほどのリラックス効果に重ね、症状別にオイルを選ぶことをお勧めします。シダーウッドやジュニパーには種類が様々ありますので効果・効能を調べてブレンドしましょう。
[4]杉(スギ)のアロマオイルは花粉症やアトピーにも効果あり
花粉症の原因として、扱われるスギですが葉や枝からとれるオイルには、花粉症やアトピーの症状緩和に効果があるといわれています。
花粉症の症状が緩和
近年、注目されているのがスギの葉からとれるエッセンシャルオイル(精油)です。花粉症は花粉が原因で起こるアレルギー疾患ですが、その反応が出るまでの一部過程を抑制し、アレルギー反応自体を起こりにくくすることが研究で明らかになっています。アレルギーの抗体生成やアレルギー症状の原因になるヒスタミンの分泌を抑えることで症状を緩和します。
アトピー性皮膚炎の緩和
抗菌作用の高いスギのエッセンシャルオイル(精油)には、アトピーの原因の一部として発見されている黄色ブドウ球菌の増殖を抑える効果があります。アトピーの原因は様々ですが、ステロイド系の薬に肌が負けてしまう方も多くいます。エッセンシャルオイルであれば肌の保湿もしつつ、症状を緩和させることができるのでお子様も安心です。
[5]杉(スギ)のオイルの楽しみ方
身体も心も癒してくれるスギのエッセンシャルオイルを使ってストレスを解消しましょう!
おすすめの楽しみ方をご紹介します。
芳香器で家の中で森林浴
スギの香りは森林浴にピッタリの香り、深い森の中で深呼吸をしているようなさわやかな気分を味わってください。
出典 thejasminshop.com/product.php?id=116
お出かけ前や職場のデスクでも
お出かけ前にハンカチに1滴落としたり、ティッシュペーパーに1滴落として置くだけでも香りを楽しめます。お仕事中につかれてしまった時などに深呼吸するとさっぱりとした気分を味わえます。
アロマスプレーで服や寝具をさわやかに
精製水や無水エタノールなどと一緒にアロマスプレーを作ると様々なものに応用できます。服やカーテンなどにスプレーすれば、素早く香りが漂います。また寝具にスプレーすることで、夜寝るときにリラックス効果があり健やかな睡眠が訪れます。
[6]日本人ならではの杉(スギ)オイルでストレス解放宣言
日本国有の植物であるスギのエッセンシャルオイルを使ってストレス社会にさらされる身体と心をゆったりと癒しましょう!
☆アロマセラピスト菊池より一言☆
和精油の代表的な香りである「スギ」。
目を閉じればなんだか森の中にいるような気持ちにさせてくれるこのスギは、日本人である私たちに安心感を与えてくれると馴染みある香りですね。一度はどこかで嗅いだ事のある香り。アロマが苦手な男性にもこの香りは受け入れられやすいのではないのでしょうか。
またこのスギに同じ和精油のユズやヒノキのブレンドもおすすめです☆
バスソルトにこれらの精油を入れて入浴すれば、頑張った1日の疲れを癒し、リセットしてくれる事でしょう。
※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。